Women Empowerment
建設現場で働く
女性たち
建設現場での女性建設労働者・職人の
みなさんの活躍を紹介!


Interview.1
他者へリスペクトを忘れず
仕事と誠実に向き合う。
建築士 / Nさん

- 建築士になりたいと思ったきっかけは。
- 父が工務店でお仕事をしていて、建築業界に興味を持つようになりました。当時、建築業界に女性が少ない時代だった為、現場での仕事を円滑に進める際に必要な資格との認識から平成6年に建築士の資格を取得しました(その後、施工管理技士の資格も取得)。
- 今までで一番印象に残った仕事、苦労した仕事。
- JR沿線、線路が物件と近接(敷地境界フェンス等無し)にある立地の、3軒長屋中央部店舗の修復改修工事。
- 建設現場で女性が働きやすくするにはどうしたらいいか。
- この業界の基礎を身につける為には、現場において、体力・腕力が不可欠な要素です。
こういった分野では男性優位になります。危険が伴う現場では、適正が欠けると現場に居ることすら邪魔になってしまいます。特に女性は身体が劣勢である為、常に配慮や努力が必要となります。
無いものを型にするのが最終目的とする「創る」仕事なので、設計・アドバイザーなども基本は同じです。
まずはリスクを素直に認め、基礎が身につけば、応用に関しては男性と同等に活躍はできると思います。
その育成の為には、時間がかかる事を認識し、男性女性の垣根を超えたリスペクトが大切かと思います。
- これからの目標
- 他者へリスペクトを忘れない事。自分と関わる人々を大切と思える人でありたいです。
また、世間の流れを敏感に意識できる感性を大切に、仕事と誠実に向き合いたいです。
Interview.2
建築のすべてのことに
基本があり、それを深く知る。
建築士 / Kさん

- 建築士になりたいと思ったきっかけは
- 私が幼少時、築80年位の家屋に住んでおり、近所の大工さんが屋根・台所・浴室などあらゆる場所を、毎年のように改装工事をしていました。これらが、インテリアや建設関連に興味を持った始まりです。
前職はインテリアコーディネーターとして働いておりましたが、物足りなさを感じるようになり、建物全体に関わる仕事をしたいと思い、現在の建築士を目指すようになりました。
- 今までで一番印象に残った仕事、苦労した仕事
- 化学物質過敏症(以下CS)の方、専用クリニックの案件に携わった事です。
今まで使われていた建築材料はCSの方々の身体に害を与えてしまうため、全く使えず、
症状の出ない安全な材料を一つずつ探りました。
「どのように施工し、形にするか」などを一から考え、手間がかかって大変苦労しましたが、この経験が今のお客様に役立っています。
- 建築士になりたての頃と比べて、仕事内容や心境はどう変わったか
- 建築士になりたての頃と比べると、仕事の幅が、広がりました。
一般的なリフォームだけでなく、フルリノベーション(建物の構造部分だけを残し、まっさらな状態にし、大きく間取り等を変更すること)やコンバージョン(例えば薬局から家に用途変更する等)、耐震補強そして新築工事などを行っています。
また、自信をもってお客さまに提案することができ、より良い方向に導けるようになりました。
長く建設業に携わった経験値が、自信につながり、より良い提案を導きます。結果、お客様に喜んでもらいたいという思いが強くなりました。
- 御社のホームページでKさんは「女性の視点と生活体験をもとに設計提案を心掛けている」とおっしゃっていたが、例えばどのようなことを大切にしているか
- 「もし自分がこの家で生活するならどうするか」と考えるようにしています。
例えばキッチンの相談を受けた場合、「このキッチンで私が料理をするなら・・・」
キッチンの配列や収納そして動線など充分に検討してから提案しています。
また、「○○が不可能であれば□□はいかがでしょうか」と、一つの選択肢にこだわらず、柔軟に提案するように心がけています。
ただ「女性の視点」とありますが、男性も家事を積極的におこなうことが増えていますので、女性目線と言うよりは、お客様に寄り添った目線を大切にしています。
- これからの目標
- 仕事に臨む姿勢として、今までもこれからも、誠実にお客様と向き合うことです。
リフォーム業界の目標としては、「フルリノベーションのすすめ」です。
日本は、築年数30年を過ぎると建て替える建物が多いのですが、「まだ使えるのにもったいない」と日頃から感じています。
そのような建物をフルリノベーションでよみがえらせることが出来ます。少しずつ普及はしていますが、まだまだこれからです。
「スクラップ アンド ビルド」(老朽化で古くなった設備を廃棄し、新鋭設備に置き換えること)が改善されれば、廃棄物をなくし、地球環境の負担を減らすこともできます。
また、思い出の詰まった住宅をスクラップせず、耐震性能などの機能性の向上とデザイン性アップで、新築住宅同様の建物によみがえり、より付加価値がある住宅になります。
このようなリノベーションが増えていくことを願っています。